宮崎大学 教育学研究科 学校教育支援専攻
日本語支援教育専修 2年 汪 南雁

    今日は皆さんに教育実習の報告をしたいと思います。
日本の高校理科の教員免許を取得するために、6月13日~24日の二週間、宮崎大学教育文化学部付属中学校で教育実習をさせていただきました。担当教科は理科で、担当学級は2年でした。

   教育実習に関する提出物は3つありました。1つ目は教育実習録です。これは毎日提出しないといけません。学部生ではないため、実習録の様式は独自の様式でもかまいませんでした。2つ目は、教科に関する学習指導案2時間分です。今回は中2の物理を教えました。授業の内容は、電気と電界の相互作用のところでした。3つ目は担当学級から2名の生徒を抽出し、毎日観察しそして最後にそれをまとめて出す個性観察録です。
では、一日の流れについて紹介したいと思います。毎朝5時半に起き、7時20分までに学校に着くようにしていました。学校に着いたらまず出勤簿に印鑑を押し、そして、前日の夜に作成した実習録を持って、教育実習全体の指導をされている先生に分からないことを尋ね、その後教科の指導教員の先生と学級の指導教員の先生にあいさつをして、一日のスケジュールを知らせます。8時から朝の会に参加し、その後先生たちの授業を参観したり、実際に教えてみたりしていました。一日におよそ1つから4つぐらいの授業を参観していました。参観する授業は理科以外に、数学、道徳そして学級活動に関する授業もありました。授業がない時は授業の準備や、指導案の作成・修正、または実習録の記入をしていました。昼ごはんは生徒たちと一緒に教室で食べます。食べる時間はたった15分しかありません。ゆっくり食べる人は時間内で食べ終われませんが、附属中学校の生徒たちは訓練されていたので、みんな大体15分で食べ終わっていました。昼ごはんの後、教室で生徒たちと交流したり、控室で勉強したりしていました。昼休みが終わると、清掃があります。このとき、いつも所属している学級に行って、生徒たちと一緒に清掃しました。清掃が終わったら午後の授業が始まります。午後は、たいてい控室で授業準備をしたり実習録を記入したりしていました。最後に、学級の帰りの会に参加し、帰る生徒みんなにさようならを言い、それから控室に戻って、実習録の記入を5時半までに終わらせます。6時までに、実習録を印刷して、学級または教科の指導教員の先生に提出します。実習録を提出したら、大体一日が終わります。

この二週間、毎日心がけていたことがいくつかあります。まず、附属中学校はノ―チャイムなので、時間の余裕を持って行動することです。生徒たちは3分前着席2分前黙想をちゃんと守っています。私はできるだけ5分前行動をとるように気を付けていました。そして、二つ目は常に自分が教師としての品格を保つような言動を心がけることです。3つ目は、毎日できるだけ多くの生徒と言葉を交わし、そしてより多くの生徒の名前を覚えることです。会話をするときは生徒たちを緊張させないように笑顔を忘れないよう気をつけていました。4つ目は、時間が許すかぎり、いろいろな先生と会話し、交流を深め、先生方からいろいろ学ぶようにすることです。先生によって、経験や考え方などは当然違うので、いろいろな会話を通して自分の視野を広げたかったからです。5つ目は、自分の考えをしっかり持つと同時に、先生方のアドバイスを選択的に取り入れることです。自分がやってみたいことや生徒たちに伝えたいことはきれいに整理し、指導教員の先生にそれを伝え、先生の許可をもらったり、アドバイスを伺ったりするように心がけていました。

外国人が日本の教員免許をとるのは、宮崎大学で初めてのケースです。宮崎県でも初めてかもしれません。外国人の私を受け入れてくれたこと、そして優しく丁寧に指導してくださった附属中学校の先生方、またこの機会を提供してくださった大学の先生方には、ことばで表せないほど感謝しています。先生方のおかげで、充実した毎日を過ごすことができたと思っています。
二週間の教育実習に行ってみて、ますます教師になりたいと思うようになりました。でも、教師の仕事の大変さに気付いた二週間でもありました。実際に、教育実習に行ってみてこれまで考えていたことと違う点がたくさんありました。教師の仕事は、ただ教科指導がよくできればそれで済むわけではありません。生徒指導、学級経営、そして学校の仕事といったさまざまな面において仕事をしなければなりません。それは、実際に教育実習に行って自分の目で見て初めて分かり、それにどういう内容の仕事をしているかも確かめることもできました。
そして、教育というのは人を感化することだということを知りました。それについて、私は考えました。感化ということばは簡単に言えますが、実際そう簡単にやれることではありません。まず、教師自身の教科知識と教養が高いレベルでないと、子どもたちを教育することはできません。そして、子どもたちの実態としてはそれぞれ個性があるので、一様に扱うことはできません。また、子どもたちに直接何かを教えることではなく、子どもたちに考えさせることが大切です。そこで、教師になるには高いレベルのコミュニケーション能力が必要となってきます。従って、教師になりたい人はまず自分を磨かなければいけないと強く思いました。
教育実習が終わりましたが、この二週間の間に経験したことは私にとって宝物となり、そしていつか教育現場においてきっと強い武器となるだろうと思っています。これから教師の道を目指して、一生懸命頑張りたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。

宮崎大学 教育文化部 附属中学校 正面